至急採血のある患者様には前日に「※予約時間の1時間前に来院して下さい」「※予約時間の30分前に来院して下さい」という文面のメールを配信しております。
今回はなぜ予約時間の1時間又は30分前に来院していただく必要があるのかを検査の流れとともにご紹介します。
至急採血検査には、①血液を完全に固めた後に必要な成分を分離して測定するホルモン検査と②血液のまま測定できる項目(末梢血液一般、D-ダイマー)があります。
①のホルモン検査では、採血後の血液が完全に固まるまで10~15分間静置しておき、その後、遠心機にかけて検査に必要な血清という成分を回収します。この時、完全に血液が固まる前に遠心分離すると、「フィブリン」という物質が出てきます(左写真)。このフィブリンが出ている状態で検査すると、測定機でエラーが起きてしまい、通常30分で測定できる検査に、更に時間がかかってしまいます。しかし、血液をしっかりと固めると、このフィブリンは析出しません(右写真)。
スムーズに結果を出すためにも、血液をしっかりと固める時間が必要なのです。
そのため、採血→血液を固める→遠心分離→測定→結果返却まで約1時間を要します。
②の項目では、採血をした血液のまま測定をするため、血液を固めて遠心分離をする時間が必要ありません。したがって、検査に要する時間を考慮し、30分前の来院をお願いしております。
診察予約時間までに測定結果を返却し、スムーズに診察を受けていただくためにも、1時間前、30分前の採血にご協力をお願いいたします。