一般体外受精・顕微授精の受精方法に関わらず1つも受精卵が得られない場合(全受精障害)があります。ただし、その発生頻度は、一般体外受精と比べると顕微授精の方がはるかに低いです。
スプリット法とは、一般体外受精法と顕微授精法を半分ずつ行う方法で、受精卵を全く得ることが出来ない全受精障害を防ぐことを目的としています。
今回は、実際に全受精障害がどれくらいの頻度で起こっているのか、さらには、スプリット法で本当に全受精障害が防げるのか当院のデータを用いて紹介します。
2018年1月から12月までの採卵で、一般体外受精を行ったのは318周期あり、その内、全受精障害が14周期(4.4%)でした。つまり、一般体外受精では全受精障害は4.4%の確率で起こる計算となります。
また、同じ期間でスプリット法を行った症例は50周期あり、全受精障害が起こった症例はありませんでした。この中で一般体外受精法では受精しなかったが、顕微授精法で受精していたという周期が1周期ありました。この場合、一般体外受精法だけでは受精卵が得られなかった可能性が高かったと考えられます。
このように、全受精障害が起こる確率はかなり低いですが、絶対に起こらないとは言い切れません。スプリット法は、顕微授精には抵抗があるけど、全受精障害が心配なかたにぴったりな方法です!
体外受精に関して何か不明な点がありましたら気軽に医師までご相談ください。